會長の「Reader論」ver.6 大久保恒夫著 実行力100%の会社をつくる! 日本経済新聞出版社

2年ほど前でしょうか、小売り再建のプロとして著者がNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演されたのを見たのですが、出演されて間もない頃に本屋さんに行ったら、たまたま氏のこの本が書棚に並んでいたので、読んでみようと思い購入をしました。
途中まで読んでは途切れ最初から読み直し、途中まで読んでは途切れ最初から読み直しで、今回ようやく読み終えました。途切れ途切れになったのは、つまらなかったからではなく、内容が面白かったので、集中して、しかも一気に読み上げたいと思ったからなのですが、ほかにも面白そうな本があったので、あれこれ手を出しすぎた(いつも2、3冊の本を、同時並行的に読んでいます)というのも実はあります。
著者は、自身が手掛ける成城石井の例をあげ、常に小売りで成功を収めるには、ディスカウントでは急場しのぎにはなっても長続きはしないと説きます。
ファンを増やさなければダメだといいます。そのためには、魅力的な売り場を作る(売れ筋商品をいい場所にたくさん並べる、導線を工夫するなど)、店員の丁寧で笑顔あふれる対応を徹底する、良質でこだわりの商品を提供するなど、いつくかのポイントを挙げています。もちろん、人の効率的な配置、ローテーションなど経費的な部分での工夫についても触れています。
詳細は読んでいただくとして、この本には、われらが市役所の接遇の大切さやS級サザエのファンを増やすためのヒントなど結構示唆的だなぁと感じさせるものがあり、また、全体を通して実はそんなに難しいことは説いていないという、あらためて基本の大切さというものを教えてくれたような、そんな気がしました。