會長の「Reader論」ver.1 村山斉著「宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎」 幻冬舎新書

Leaderではなく、Readerです。私會長が、最近読んだ本、昔読んだ本の中から面白かった本を紹介する新コーナー。
今回初回ということでいろいろ考えましたが、オーソドックスに最近読んだものの中から、まずは面白かったこの本から。

理解できもしないくせに、ホーキングやら宇宙論やら相対性理論やらの本に手を出してしまうことがタマにあるのですが、この本もそのクチ。

以前、NHKのサイエンスZEROという番組で、宇宙膨張のカギを握る暗黒エネルギーについての話が取り上げられたのですが、その道の世界最先端の研究者として紹介されたのがこの本の著者の村山斉氏。
とある書店に行ってこの本を発見したときに、何か見覚えのある作者だなと感じながらも思い出せず、頭の中を巡らせて、ようやくにして番組内容のことを思い出し速攻買っちゃいました。

宇宙のエネルギーは、星や銀河、普通の物質、原子などというのはごくわずかで、暗黒エネルギー73%や暗黒物質23%といったもので宇宙のほとんどが占められているそうです。また、その正体がよくわからないから「暗黒」なのだそうです。以前は、宇宙の膨張速度は、外側へ行けば行くほどゆっくりになると考えられていたそうですが、最近では観測結果の分析から、外へ行けば行くほど膨張速度が速くなり、遠方ほどもっと早く遠ざかっているのがわかっているそうで、その重大な役割を果たしているのが暗黒エネルギーだとのことです。

難しい話を、読者にわかりやすく読みやすく記述してくれているのに、科学嫌いの僕にとって、ここまで理解するのに一苦労。

ここで重大な事実が一つ。外側へ行けば行くほど膨張速度が速くなるということは、斥力がさらに強くなっていくということ。つまり、外側へどんどん引っ張る力が強くなるということですが、とすると、やがては星が密集しているはずの銀河も星が引き離され形が崩れ、星と星の間の距離も遠ざかり、さらには星そのものが引っ張られて破壊され単なる物質や原子と化し、ついにはその物質や原子までもが引き裂かれて消滅してしまう・・・何も存在できない・・・特異点のビックバンから始まり、徐々に空間を広げながら原子やら物質やらを生み出し、星々に生命活動を繰り返させながらも、それらを結局は斥力によって無に帰させるビッグリップ、そんな宇宙の最終形をこのように提示する説があるようですが、このショッキングでもあり何だかさみしさすらも漂わせるこの仮説、無い頭の僕の直感によると案外この説は正しいのではないかと思ってしまう今日この頃。

宇宙はどのようにして始まり、何でできているのか、そしてどのような結末を迎えるのか、そもそも人間はなぜ存在するのか。知的生命体である人類にとって永遠の謎なのかもしれませんが、偉大な科学者でも哲学者でもない私會長には、まったくわかりましぇん。

下田S級サザエを頬張り、うまい酒をちょっと嗜み、せいぜい明日のわが身を憂う。。。そんな毎日でいかがでせう。