會長の「Reader論」ver.5 呉善花著 私は、いかにして「日本信徒」となったか WACBUNKO

アメリカ留学を目指していた著者が、ひと昔前の韓国ではアメリカのビザ取得が困難だったため、ひとまず日本を足掛かりにしようとしたのが来日のきっかけだったそうな。日本への先入観、イメージの克服、文化の違いゆえの悩み、日本に対する理解の深化、著作の発表、そして韓国世論との戦いなど様々な経験を通じて、日本に定住するために帰化を選択することになるまでの出来事、心情、日本人そして韓国人への思いなどを綴った一冊。
詳細は、お読みいただくこととして、特に印象に残ったのは、やはり「過去」のいきさつもあって、韓国で受けた教育から出来上がった日本への見方と、実際に来日してみてのイメージが全く違うことに対するギャップを感じ、これを克服し理解するまでの過程で彼女が導き出した結論、
韓国で聞かされていたイメージが好転するのが一年目
日本とぶつかり合うのが二、三年目
日本のよさも悪さも、韓国のよさも悪さも、客観的に見えてくるのが五年目
ここに、この著書の前半のクライマックスが凝縮されているように思いました。
おそらく、私たちも、韓国に住むようなことがあれば、逆の立場で同じような経験をするに違いないだろうと、なんとなく想像がつくような気がしてなりませんでした。