まめまきたいのはなし

明後日は節分。
ここ数年で恵方巻なるものが、一気にメジャーになった感がありますがやはりわれわれ世代では豆まきの右にでる行事はありません。
この豆まきですが、一時期ある場所で一気にメジャーになったイベントがあります。しかも、火付け役はなんと私です。
しかし、このことを記事にすると私のもともと低い評価をさらに下げるばかりでなく、悪魔のイベントが復活する恐れが・・・
しかし、心の鬼を退治してお話したいと思います。

それは、飲み会にも飽き飽きしていた大学1年生の節分の日のことです。「何か面白いことないかな〜」とつまらぬ考える力を磨く講義を聴いていた時に閃いてしまったのです。
日本の伝統行事「豆まき」をやろう!
自分の部屋だと1回で終わってしまうから皆の家にまきに行こう!
部屋の外にまいてもつまらないから中にまこう!

と、始まったこの行事。

スーパーで豆を大量に買い込み、近所に下宿している仲間の家をピンポーン。ドアが開いた瞬間に警察のようにドアの隙間に足を入れ、大きくこじ開け、家の中に「鬼は〜そと、福は〜うち!」大量の豆をぶん投げます!皆、豆鉄砲を食らった鳩のように呆然・・・我々は「わ〜〜〜い」と逃げます。
もちろん鬼のお面を被っているので、面は割れていないはずです。中には裸足で追いかけてくる奴や逃走用の車にしがみついてくる怖い先輩も・・・風邪で寝込んでいて(後日知りました)やっと玄関にでてきた女の子やシャワーを浴びている最中の女の子なんてのも(ムフ)・・・

こんな行事ですから、当然、面白くて翌年度も続きます。
こういう時には、現在仕事ではできていないPDCAサイクルのプロセスが自動的にはたらき、計画が改善されていきます。

まず我々側。
こんな面白いこと鬼を追い出して福を招く良いことは、皆にしてあげたい。と、まく家リストを大幅に増強します。しかし、大量の節分豆は貧乏学生には高価すぎます。同じような大きさでいいものはないかと探すと「ドッグフード」や「●×△」が該当しました。また、ちょっとむかつく気心の知れた奴には、奮発してチョコボール(もちろんピーナッツの方)だと溶けて面白いんじゃないかというようなことになります。

そして、まかれる側。
残念なことに平和な日本。1年後にはこの行事をほとんどの人間が忘れてしまっているのです。しかも、かなりの人間が戸締りをしていない。ですから、パワーアップした我々に皆コテンパにやられます。
しかし、しばらく家をまわっていると連絡網で情報が流れるらしく、絶対に鍵を開けない奴もでてきます。そんな場合は、手分けして窓からまく、ドアについているポストにまく、車にまく、洗濯機にまく(当然スイッチ入れます)など鬼も怒るぐらいの悪事を重ねていました。(活字にできることしか書いていません)

3〜4年目にもなるとやや反撃にあうようになります。
我々がドアを開けた瞬間に大量の豆を投げられたり(これが本当の豆まきのあるべき姿です)、我々の家も襲撃されるようになります。
ある奴は豆まきから帰ってくると大嫌いなタバコの吸殻が生クリームとともにドアに塗りたくられていたり、ある奴は自●行●中(鍵をしておけ!)に襲撃にあったケースもあります。(ここも活字にできることしか書いていません)

そして、このころになると我々を真似して、同じようなことをしている後輩達にも鉢合わせるようにもなりました。まあ、普通に考えてあんな鬼のようなことをする奴はいないと思うので、悪しき伝統は廃れたと思いますが、あの4〜5年間は結構大学内で流行ったものです。(我々のような活字にできない悪魔の所業は流行っていないはずです。母校の名誉のため)


先日、たまたま●慰●為君の新居の近くに行ったのでちょっと寄ってきました。
当人は家におらず奥さん(面識なし)だけ。

もちろん、季節が少し早いですが、新居に福を招くため、心を鬼にしてしっかりまいてきましたとさ。
めでたしめでたし

 (S+1)彦