會長より 静岡県立美術館「江戸絵画の楽園」を観に行ってきました

3連休の中日、日曜日に静岡県立美術館に足を運び「江戸絵画の楽園」展を観に行ってきました。
県立美術館には、毎年2度ほど興味のある特別展に行くような頻度でしょうか。

絵画そのものについてはあまり詳しくはなく、学生時代に日本史を専攻していたというくらいの私會長なのですが、今回の鑑賞の趣旨はどちらかというと癒しということで。
そうは言いつつも、今回お目当てにしていたものが・・・それは洛中洛外図屏風ですね。
洛中洛外図屏風というと、本当かどうかは知りませんが、織田信長上杉謙信の機嫌取りにこの屏風を贈ったという話が有名ですが(いわゆる上杉本)、今回展示されているものはこれではありません。
この洛中洛外図屏風、いざ見てみるとやはり面白いですね。
内裏をはじめ見覚え聞き覚えのある寺社が登場するばかりでなく、当時の街並みの様子、商売の様子、人々の服装、もっと言えばしぐさの一つ一つなど様々なものが絵として表現されており、歴史資料としては抜群のものと言えますね。
これを見ただけである意味満足でしたが、屏風、掛軸、巻子など絵画の種類、さらには水墨画や水彩画?といった技法も様々で、なかなか見ごたえのある特別展でした。
さらにもう一つ感心させられたものが。
花鳥風月とでもいうのでしょうか?これらを表現する1本1本の線、たとえば鳥の羽根や猿の毛などの表現力、なんと繊細でしなやかなことか・・・
間近でみると、微妙な色合いや濃淡の違いをつけて奥行や柔らかさを表現しているのが分かる・・・勝手な解釈ですが、さらに思うに、なにも書かない空間を上手に配置してこその1本1本の線の繊細さが成立しているのではないか・・・線と線のほんのわずかな空間であったり、絵画全体に占める空間であったり・・・いや〜奥深い・・・本物の芸術は違うなあと感心させられた1日でした。